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第2回『クリエイティブ産業が生まれていく可能性を考える』レポート

こんにちは!ついについに始動した「旧野外活動センター」のプロジェクト!連続ワークショップの第2回『「クリエイティブ産業が生まれていく可能性」を考える』が行なわれました。

今話題のコワーキングスペースなどに携わる4人のゲストにその「場づくり」「コミュニケーションづくり」について発表いただいた上で、いろいろな地域からいろいろな立場から集まった参加者と共にアイデアや思うことを出し合い、非常に有意義なワークショップになったと思います。

少し長くなりますが、読み応えたっぷりにお伝えしていきたいと思います。レポート担当は最近おなじみの内田です!

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【概要】

  • 日時:2016/2/21(日)
  • タイムスケジュール
    13:00~第1部:活動紹介プレゼンテーション
    14:30~第2部:パネルディスカッション
    ~16:00終了
  • 参加無料
  • 参加者約20名、スタッフ6名、ゲストパネリスト4名、コーディネーター1名
  • ゲストパネリスト
    IID 世田谷ものづくり学校 高山 勝樹氏
    co-ba 奥澤 菜採氏
    mass×mass 関内フィーチャーセンター 森川 正信氏
    NEKTON 藤沢 三浦 悠介氏
  • 主催:関東学院大学
  • 協力:逗子文化の会、IID世田谷ものづくり学校、co-ba、mass×mass 関内フィーチャーセンター、NEKTON 藤沢、逗子クリエイターズ

「旧野外活動センターの活用を考える」について

まず最初に、関東学院大学の日高さん、逗子クリエイターズの加藤さんからこの「旧野外活動センター」の現在の状態、今後の見通しなどについて説明がありました。

旧野外活動センターは現在約10年ほど「空き家」状態で、いろいろな事情が絡み合い、使いたい人がいても使わせてもらえない状態が続いています。今回のワークショップについても、「旧野外活動センターの活用を考える」という用途においてのみ使用が許可された状態で、それも一旦3月末まで、と期間が決められています。

また、使えることになってもその建物修繕費の予算はなく、その資金面でのハードルも低くはありません。

と、正直に言ってスタート地点から半歩前にいるような状態の「旧野外活動センター」。ここまでも随分長かったようですが、ここから先もまた随分長いようです。

しかしそのぶん!

みんなでこれからどうしていきたいか、力を合わせて考え、そして力を合わせて実現していくことができるのです!

と、いうわけで、この日は「クリエイティブ産業が生まれる可能性」についてみんなで考え、それぞれの意見に耳を傾けました。

前半:活動紹介プレゼンテーション

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第1部はゲストパネリストそれぞれの活動、運営している施設の概要、場づくりにおいて重視していることなどをプレゼンしていただきました。

IID 世田谷ものづくり学校 高山 勝樹氏

IID 世田谷ものづくり学校とは、2004年に廃校となった東京都世田谷区の旧池尻中学校舎を区から借り受け、再生・活用した施設です。

見た目は今でも「中学校」そのものなので、通りすがりではただの学校だと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、中身はシェアオフィスでもあり、ワークショップなどのイベントスペースでもあり、カフェやギャラリーもあり・・・という、「産業振興」 「地域交流」 「観光拠点化」 を理念に新しい場所を作られています。

ここでは「株式会社ものづくり学校」という民間企業を立ち上げて区から建物を借りて運営しているため、その特有の苦労もあるそうです。一つは、民間と行政との’採算’意識の差。ただでさえ、中学校の幅が広い廊下や大きな玄関は「商業ビル」としてはありえないほど’豊か’な設計のため建物の大きさに対する利益率が低くなってしまうとのことでした。

「旧野外活動センター」も、元が寄宿舎であり、その規模や構造を考えるととても「商業ビル」とはかけ離れた設計の建物です。

また、区から借り受ける際に幾つかの利用方針を決めていて、それが先に挙げた「産業振興」 「地域交流」 「観光拠点化」ですが、逆に言うとたくさんやりたいことがあってもそれらに縛られてしまう、という時もあるようです。

しかしシェアオフィスとして「観光拠点」を一つ大きな軸に置いているという点はものづくり学校の大きな特色です。年間500件以上のワークショップを開催し、年間約6万人が来館しているというのは驚きでした。

co-ba 奥澤 菜採氏

奥澤 菜採氏は2011年に渋谷からスタートした、若手起業家やクリエイターといったチャレンジャーが集い、お互いが刺激を受けあって高め合い、繋がり合い、そして楽しい「co-ba」という名前のシェアードワークスペースを運営する株式会社ツクルバでco-ba事業部マネージャーをされていらっしゃいます。

co-baはその4年間で全国12箇所(渋谷・赤阪・大塚・気仙沼・調布・呉・郡山・田町・飛騨高山・下北沢・花巻・鹿児島)に拠点を広げ、各地域に合わせたコンセプトで活性化しており、単純なスペース運営というだけでなく、コミュニティやネットワークを構築、発展させる仕組みが特長です。

co-ba渋谷には後から増床しDIYして作った、ユーザー同士が本を持ち寄り、貸し借り出来る「co-ba library」があります。昼間はフリーアドレスのコワーキングスペース、夜間はイベントスペースとして使用しています。本棚は一区画ずつ会員の好きな本などを置けるようになっています。このマイ本棚を介して、お気に入りの本当共に名刺や連絡先を書いておく方がいて、気になる本や気が合いそうと思った時に連絡する新しいコミュニケーションが生まれているのだそうです。

このほかにもco-baではコミュニケーションが生まれやすいような工夫をしているそうです。例えば、たいていのオフィスで端っこにありがちな給湯室をコーヒースタンドとしてフロアの中心に置き、ほっと一息つきながらお互いが雑談できるように。ほかにも、月一回ほど開催するイベントではワーキングスペース外の人も招いてコミュニティが広がるようにと意図しているとのことです。

co-baではこのようにコミュニケーションを重点に置くため、入居希望者との面談も密に行い、事前に意識の差異がないように気をつけているそうです。単純に机スペースを使いたい、というのではなく「コミュニティに入りたい」という方を優先することで交流の活性化を保っているそうです。

mass×mass 関内フィーチャーセンター 森川 正信氏

mass×mass 関内フィーチャーセンターは2011年に横浜市の事業の一環として始まったコワーキングプレイス。コワーキングスペースとして利用者に場所を提供するとともに、「横浜をもっとおもしろくする」をコンセプトのもとスペースの一部を開放して様々な切り口の講座やイベントを開催しており、地域の人々とつながる場となり、地域と協働した起業家を創出していらっしゃいます。

常駐スタッフは朝から夜までですがスペースは会員が24時間使えます。また、コワーキングスペース以外にもマスマスカレッジという連続した講座を開いたり、クラウドファンディングを運営したりとユーザーが何かしたいという気持ちをバックアップするような事業を展開しています。

森川氏自身も、UKから帰国したタイミングでmass×massに関わったことで人脈ができ、映像やwebを制作する仕事を請け負うことができたそうです。そのような仕事の人脈の土壌やサポートの体制を作ることができれば、逗子で何かしようとする人のハードルが下がるのでは、とのお話をいただきました。

NEKTON 藤沢 三浦 悠介氏

NEKTONは昨年9月にオープンしたばかりの藤沢の新しいコワーキングスペースです。立ち上げ、運営する三浦氏は創刊11年を迎えた湘南の地域情報紙「フジマニ」の編集長でもあります。

コワーキングスペースとカフェのある中心のフロアの上階にはスタジオ階があり、その異なるスペースがお互いに循環して仕事がはかどり、人と人が繋がれる仕組みになっています。例えば、コワーキングスペースでパソコン仕事をした後でヨガのレッスンを受けられたり、ヨガの先生がレッスンの後で事務作業ができたり、そしてお腹がすけばカフェでご飯を食べたりできます。

その他にも本を置く、利用者同士がWANTEDという求人やお知らせが出来る掲示板を設けたり、利用者のチェキを撮って特技を書いておくなど交流をしやすくする工夫を紹介していただきました。

後半:パネルディスカッション

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前半終了後、20分ほどの休憩をとりました。この間に、広場に降り注ぐ暖かな日差しが気持ち良く、どこからともなく「後半は外でやろう!」との声が。

予定外でしたが、急遽椅子と黒板を外へ持ち出し、後半は広場の真ん中で行いました。気分も広々とリラックスでき、話をしやすくなった気がしました。(ただし、コーディネーターの加藤だけは、用意していたスライドが使えなくなったので焦っていました(笑))

たくさんの意見やアイデアが出ましたので、その一部を紹介します。

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  • 古い建物ならではの、「何をしても良いよ」という空気があるのでアートと親和性が高いと思う
  • 見習いの漫画家が切磋琢磨したトキワ荘のような場所にしても良いですね
  • コワーキングスペースが新しい働き方を生み出したように、新しい教育のあり方を生み出すような「新しい塾」を作りたい
  • 働く親の背中を見せるような、大人と子供が入り混じるコワーキングスペースが今の時代に必要かもしれない
  • 逗子に住み、逗子だけで働くといったような100%逗子で完結するライフスタイルはなかなか難しい。半々や1/3ずつ逗子と都会を行き来するライフスタイルが可能になると良い
  • 土日祝にも会社員の人で残り作業や事務作業をしている人がいるので、そういう人たちが使える施設にしても良いかもしれない
  • 主婦などが働ける工場のような内職産業ができる場所にできれば、子育てと主婦業を両立できるようになる
  • 「仕事をしに逗子に来る」という新しいパターンが作れたら、すごい!
  • 屋上の景色が最高に良い。他にないコンテンツ、魅力、強みを一つ決めると人が集まりやすいのでは
  • 現在もここで子どもがメインの遠足的なイベントがときどき行われており、そのママさんや子どもたちにも優しい施設にしたい

などなど、1秒の沈黙もなくあっという間に終了時間になりました。

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途中には、お子さんと遊びにいらっしゃっていたお父さんが「何かやっている」と覗きに来てくれ、意見も言ってくれました。想定外でしたが、急遽外でやっていたことで新しい出会いがあったと思うと「オープンにすること」の大切さを身をもって感じました。

また、そのお子さんたちが坂の向こうではしゃいでいる声も聞こえてきて、「こんなところもこの施設の魅力だね」とみんなで顔を見合わせました。

今回は「旧野外活動センターの活用を考える」という内容でのパネルディスカッションでしたが、子育てについて、働き方について、東京と逗子について、と本質的な生き方や暮らし方について思うことをそれぞれ話し合うことができた大変貴重な機会になりました。

まだ始まったばかりですが、今後も今日のように「旧野外活動センターの活用を考える」ことを通してそれぞれが生き方や暮らし方について再考し、そしてみんなでその思いを叶えていきたいと思いました。

 

そして、次回は!!!

2月27日(土)、ものづくりワークショップを開催します。まだ空席がありますので以下のリンクからフェイスブックページにアクセスし、ぜひご予約ください。

【事前申込限定公開】「旧野外活動センターの活用を考える」連続ワークショップ 第3回「地域の新しい拠点として工房の可能性」を考える、ものづくりワークショップ!!

 

今回の連続ワークショップでは第4回まで予定しています。逆に言えば、その先は未定です。旧野外活動センターが気になっている方はぜひこの機会をお見逃しないようご参加ください。

では、また次回のワークショップでお会いしましょう!

途中には、お子さんと遊びにいらっしゃっていたお父さんが「何かやっている」と覗きに来てくれ、意見も言ってくれました。想定外でしたが、急遽外でやっていたことで新しい出会いがあったと思うと「オープンにすること」の大切さを身をもって感じました。

また、そのお子さんたちが坂の向こうではしゃいでいる声も聞こえてきて、「こんなところもこの施設の魅力だね」とみんなで顔を見合わせました。

今回は「旧野外活動センターの活用を考える」という内容でのパネルディスカッションでしたが、子育てについて、働き方について、東京と逗子について、と本質的な生き方や暮らし方について思うことをそれぞれ話し合うことができた大変貴重な機会になりました。

まだ始まったばかりですが、今後も今日のように「旧野外活動センターの活用を考える」ことを通してそれぞれが生き方や暮らし方について再考し、そしてみんなでその思いを叶えていきたいと思いました。

そして、次回は!!!

2月27日(土)、ものづくりワークショップを開催します。まだ空席がありますので以下のリンクからフェイスブックページにアクセスし、ぜひご予約ください。

【事前申込限定公開】「旧野外活動センターの活用を考える」連続ワークショップ 第3回「地域の新しい拠点として工房の可能性」を考える、ものづくりワークショップ!!